バスキュラーアクセス管理とエコーガイド下穿刺

バスキュラーアクセスとは

血液透析を行うには、1分間に200~300mL程度の血液を取り出さなくてはいけません。その血液を取り出すための場所をバスキュラーアクセス(Vascular Access:VA)といいます。多くの患者様の場合、上肢に動脈と静脈をつなげる手術をしてVAとする自己血管内シャントとなりますが、他にもVAには種類があり大きく分けて4つとなります。

バスキュラーアクセスとは

自己血管内シャント(Arteriovenous fistula:AVF)

自己血管内シャントは、治療に必要な血液を体の外に出すために必要な手術で作られる、動脈と静脈を直接つなぐ血管のことを指します。利き腕とは反対側の上肢の手首辺りに手術を行うことが多いです。この手術によって皮静脈に多くの血液が流れるようになり、その皮静脈に針を刺して血液を取り出して血液透析を行います。
自己血管内シャントを良い状態に保つために患者様自身での日常の管理や定期的な検査が必要であり、場合によっては治療が必要になることもあります。血管の閉塞や感染・出血などの合併症のリスクもありますので当院スタッフが適切に管理・指導を行います。

人工血管内シャント(Arteriovenous graft:AVG)

人工血管内シャントは、人工的に作られた血管を皮下に移植して動脈と静脈を繋げる手術で作られます。自己血管内シャントのように、自分の体の血管を使用することができない場合や、自己血管内シャントを作ることができない場合に行われます。
自己血管内シャントと同様に良い状態に保つためには日常の管理や定期的な検査が必要となります。また、人工血管内シャントは自己血管内シャントよりも、血管の閉塞や血栓形成・感染などのリスクが高いため、注意が必要となります。

動脈表在化(Subcutaneously fixed superficial artery)

動脈表在化は、上肢の上腕動脈(肘部から上腕にかけて)を皮下に表在させる手術を行い、作られます。心臓の機能が弱っている方や内シャント(AVF)を作ることが出来ない方に選択されます。表在させた動脈に針を刺して血液を取り出し、皮静脈に血液を返します。動脈は、静脈に比べて力が強く、穿刺時の操作や止血には十分な注意が必要です。長期的に使用していると穿刺が難しくなる場合もありますので、十分な穿刺技術のある施設で血液透析治療を受けられることをお勧め致します。

バスキュラーカテーテル(Vascular catheter)

カフ型カテーテル(長期留置カテーテル)と非カフ型カテーテル(短期留置カテーテル)に分かれますが、維持透析ではカフ型カテーテルが選択されます。約20cmほどの長さのカテーテルを、鎖骨の下あたりから皮下を通して、内頚静脈内に挿入し、右心房までカテーテルの先端を留置します。血液透析時は、このカテーテルに回路を直接繋げることが出来るので、針を刺す必要がなくなります。ただし、カテーテルが挿入されたまま日常生活を送ることになるため、カテーテル周辺の感染には気を付けなくてはいけません。カテーテル周辺を清潔に保つために、お風呂の際やお着替えの際には注意が必要です。また、異物を体内に入れるため、凝固などによるカテーテルの閉塞トラブルがおきる場合があり、カテーテルの交換などが必要となる場合があります。

バスキュラーアクセス管理・エコーガイド下穿刺

当院におけるバスキュラーアクセス管理

バスキュラーアクセスは血液透析を行う上で、必要不可欠です。バスキュラーアクセスの調子が悪いと治療の効果が減少してしまいます。最悪の場合、治療が出来ず緊急入院となってしまうこともあります。日々、いい状態でバスキュラーアクセスを維持することは、血液透析治療を続ける上で、とても重要なことです。当院では、超音波診断装置(エコー)を使って、血液の流れが減っていないか、血管の中が狭くなっていないか、血栓はないか、などエコーで数値化・画像化することでバスキュラーアクセスの状態を把握し、管理に努めています。

バスキュラーアクセス管理・エコーガイド下穿刺

エコーガイド下穿刺

穿刺が困難な患者様へは、エコーを活用した穿刺を行っております。エコーを使用すれば皮膚の下の血管を画像で確認しながら穿刺が可能となり穿刺の成功率が上がります。当院では積極的にエコーガイド下穿刺を行っており、再度穿刺をやり直す(再穿刺)ようなことはほとんどありません。
「血管が細いと言われた。」「何度も針を刺されて痛かった。」「腕によく青あざが出来て嫌だ。」とお困りの方はぜひ、当院までご相談下さい。

バスキュラーアクセス管理・エコーガイド下穿刺

Summary医院概要

院 長
若山 慈恵(わかやま よしえ/
日本内科学会総合内科専門医、
日本腎臓学会認定腎臓専門医、
日本透析医学会認定透析専門医)
診療内容
人工透析、腎臓内科、内科
住 所
〒164-0014
東京都中野区南台3-6-17
クリスタルコート88 イマス中野南台3F
TEL

03-6304-8511 ※電話予約制(当日可)

最寄駅
東京メトロ 丸ノ内線「中野富士見町」
徒歩10分
京王バス「南台交差点」下車
・中野駅1番乗り場より約12分
・新宿駅17番乗り場より約15分
・渋谷駅47番乗り場より約34分
・笹塚駅0番乗り場より約7分
※通院困難な患者さんには
無料送迎サービスを行います。

透析外来

診療時間
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※2

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9:00~16:00

※祝日も通常の曜日通り治療いたします
※開始時刻は希望時間をご相談ください
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腎臓・一般内科外来

診療時間 日祝
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